トポロジー ポアンカレ予想
位相幾何学(いそうきかがく、topology)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
距離の概念を抽象化した 位相
コーヒーカップを引っ張ったり縮めたりして連続的に変形させていくと、ドーナツの形へ移し変えができる。こうした連続的な変形はホモトピーと呼ばれる。
位相幾何学的には、ホモトピーによって移り変わる二つの図形
(コーヒーカップとドーナツ)は、区別されない。
オイラーの多面体公式が始まり。
コップとドーナツの例では、どちらも一つのつながった図形
(連結性)であり、また穴が一つだけ空いている。
このような性質は位相不変量と呼ばれる。
視点を逆にして、同じ位相不変量をもつ図形が互いに連続的に移りあうか、という問題の一つがポアンカレ予想。
「単連結な3次元閉多様体は3次元球面S3に同相である」
という予想で、1904年にフランスの数学者
アンリ・ポアンカレによって提出される。
ポアンカレは宇宙に発射したロケットにロープを結わえ付け、
地球に戻ってきてから、ロープを手繰り寄せたとき、
投げ輪のように丸い形で回収できたら、
おおむね宇宙は丸い形だろうと予想でき、
何かに引っ掛かって回収できなければ、
宇宙はドーナツのように穴があいたかたち
かもしれないと予想できるとした。
100年後、2002〜3年に掛けてロシア人数学者
グリゴリー・ペレルマンはこれを証明
2006年のフィールズ賞を受賞したが本人は辞退した。
殆どの数学者がトポロジーを使って
ポアンカレ予想を解こうとしたのに対し、
ペレルマンは微分幾何学と熱量・エントロピーなどの
物理学の手法を使って解いてみせた。
NHKスペシャル 2007年10月22日放送分
『100年の難問はなぜ解けたのか ~天才数学者 失踪の謎~』より
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